ネムが売却。「闇ウェブ」のヤバすぎる実態
ネット時代に現れた新たなアンダーグラウンド空間
■「5ちゃんねる」を模した「闇ウェブ」の存在
闇ウェブに対しては各国の捜査当局や、民間のセキュリティー団体が監視をすすめている。トレンドマイクロ社が確認したのは、日本の巨大掲示板「5ちゃんねる」を連想させるサイトだ。下のキャプチャは、そのトップページである。
■フォーラムで交わされるやりとり
こうした日本人向けのTorサイトでは、どんなやりとりがされているのだろうか。続いて紹介するのは2015年時点で確認した、「Tor2ちゃんねる」※のフォーラムでのやりとりだ。
(※「Tor2ちゃんねる」は現在閉鎖されているが、同様のやりとりが「Onionちゃんねる」でも続いている模様)
「冷」「ワックス」「紙」など、特定の薬物名を想起させる隠語と金額が記されている。このサイトでは、大麻栽培ビジネスに関心があるユーザー向けに大麻の種まで販売されていたという。 また取引には「Safe-Mail.net」という匿名のメールサービスが活用されることが多い。売り手側は「まずはメールでご相談ください」とメールでのやりとりに誘導している。
マネーミュール(不正送金への加担)サービスの提供も確認されていた。こちらも例によって、メールでのやり取りに誘導している。支払い方法で金銭の代わりにAmazonギフトコードが求められているのが特徴的だ。
こうした闇ウェブには興味本位で決して近づかないこと。匿名化できる仕組みがあっても、完全ではない。違法な取引に関わったことが突き止められれば刑事罰に問われる可能性もある。
冒頭のネムのケースでは、闇ウェブでネムを他の仮想通貨(ライトコイン)と交換した日本人男性が警視庁サイバー犯罪対策課から事情聴取を受けている。
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